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LIVE ARK HELIX2025を終えて
これは
HELIX2025を企画して制作して
そしてすべて終えてみての独白です
振り返りレポートではありません
考え方とか判断の基準とか
そのとき何を大事にしていたかとか
そういう思想の話がほとんどです
誰かに向けたメッセージでもないし
この考え方が正しいと言いたいわけでもありません
読んだ上で
「なるほどそういう思いでやってたのか」
「へえそういう設計だったんだな」
そのくらいの距離感で流し読みしてもらえたら幸いです
HELIXは
観る人それぞれの受け取り方があっていい場所だと思っています
だからこの文章も受け取り方は自由です
ただ主催している自分の中では
こういう思考の流れで組み立てていた
という記録だけを残しておこうと思います
HELIX2025の全公演が終わりました
来てくれた人本当にありがとう!!!!
HELIXがすべて終わって
脳内が少しだけ静かになった気がする
達成感とか解放感とか
そういう分かりやすい感情とともに
「思ったより考えることが多いな」という感覚が残った
ライブは終わったのに頭の中ではまだ音が鳴っている感じ
たぶんそれはこのHELIXという企画が
単なるイベントじゃなかったからだと思う
2024年のHELIXが終わったとき
最初に思い描いていたイメージは
あの時点で一度きれいに形になったと思う
それぞれが違う場所で活動していて
違う文脈を背負っていて
それでも一つの夜として成立する
HELIXという名前に託したものは
あの段階で一度ちゃんと回り切った
だからこそ2025年も同じ名前でやると決めたとき
少しだけ違和感があった
同じことをやるならあえて同じ名前でやる意味がない
逆に言えば
同じ名前でやるなら同じことはできない
だから2025年は意識的に壊す必要があった
壊したのは派手な部分じゃない
構成でも
規模でも
見た目でもない
いちばん最初に壊したのは
「安心して評価されそうな選択肢」だった
前回うまくいったから
今回もこれでいいだろう
という判断を一つずつ疑う
完成度が高いから
分かりやすいから
受けがいいから
そういう理由で選ばれるものを削ること
それは
勇気のある判断というより
怖さを選ぶ判断に近かった
でも
完成した形を守ることよりも
進行中であることを優先したかった
HELIXという名前を掲げる以上、そこから逃げることはできない
HELIXを続けるという選択は
実はかなり自分に厳しい
イベントを一度やって終わらせるなら
「いい夜だった」で済む
でも同じ名前で続けるということは
前回との比較を
自分から引き受けるということでもある
2024年のHELIXと比べてどうだったか
前のほうが良かったと言われる可能性も
当然ある
それでも同じ名前を使ったのは
HELIXを完成品にしたくなかったからだ
HELIXは作品じゃない
進行中の状態そのものだ
HELIXは
完成されたものを単に並べるイベントにしなかった
これは意図的な選択だ
完成されたものは強い
安心感もあるし
評価もされやすい
でも完成されたものは
基本的に動かない
その完成度が高ければ高いほど
そこから先の変化は小さくなる
HELIXで見たかったのは
完成度の高さそのものじゃなかった
いまこの瞬間に賭けているかどうかだった
だから
選曲も立ち位置も
あえて不安定なものが多かったと思う
うまくいくかどうか分からない
評価されるかも分からない
それでも
次の一歩を踏み出しているか
HELIXはその一点だけを信じて組み立てた
HELIXを格付けイベントにしたくなかった理由もそこにある
演者を功績順に並べることは簡単だ
世代でバランスを取ることもできる
でもそれは螺旋を止める行為に近い
若手だから呼ぶ・呼ばない
レジェンドだから呼ぶ・呼ばない
ではなく
挑戦の現在地に立っているか
それだけだ
名前を知られていなくても
いま確実に何かを更新しようとしているなら
そこに立つ理由は十分すぎるほどあった
HELIXは功績を称える場じゃない
螺旋がいまどこに伸びているかを見る場だ
HELIXを続けていると
自分が「外側から見ている人間」じゃないことを
何度も突きつけられる
自分もまた
この螺旋の中に立っている一人だ
安全な位置から誰かの挑戦を眺めているわけじゃない
選曲も構成も
判断の一つひとつが
そのまま自分の現在地を示してしまう
HELIXは
他人の現在地を測る場であると同時に
自分自身の現在地を一番ごまかせない場所でもある
だから完成したものを並べなかった
それは出演者のためでもあるけれど
同時に自分のためでもあった
HELIXについて考えていく中で
最後に一つだけはっきりしてきたことがある
HELIXは
正解を作らないということだ
どんなイベントが良いか
どんな選曲が正しいか
どんなメンバー構成がベストか
どんな楽しみ方がベストか
そういう問いに
一つの答えを出すつもりはない
もし正解を作ってしまったら
次はその正解をなぞる作業になってしまう
HELIXは「これが正しい」という形を提示する場所じゃない
いまこの瞬間に
何が鳴っているか
どこに向かおうとしているか
それをそのまま立ち上げる場所だ
だから毎回うまくいくとは限らないし
評価が割れることもある
でもそれでいいと思っている
完成度の高さや
分かりやすさを基準にするなら
もっと安全なやり方はいくらでもある
でもHELIXはそういう場所じゃなくていい
正解を作らない代わりに
進行中であることだけをちゃんと守りたい
それがこの名前を続けて使った
いちばんの理由だ
2025年という年は
自分にとっては激動の年だった
でもHELIXを終えて思うのは
それぞれそのときどきに
完成や正解を求める必要はなかったということだ
まだ進行中でいられることの価値が
また少しだけ分かった気がする
HELIXという名前を使い続ける限り
自分はこの螺旋の中に立ち続ける
来てくれたすべての人に
ありがとう
また会おう
2026年もよろしく!
